Office 2024が発売されましたが、更新する価値はあるのでしょうか？
それとも365を選ぶべきでしょうか？
新機能、改善点、サポートの有効期限に注目してみましょう。
今回の主要な更新内容は以下の通りです。
・ExcelのOffice 2024版で、新しい関数が利用できるようになりました。
・PowerPointには新たなリリーフ機能や録画スタジオ機能が加わりました。
・価格は34,480円から43,980円（税込）です。
・サポート期間は5年間です。
【Office 2024】新機能の概要とOffice 2021との差異
「Office 2024」が日本で10月2日に発売されました。
Office 2021と比べてどのように進化したのでしょうか？
新機能とその改善点
特にExcelが大きく進化しています。
新たな機能や関数が加わりました。
新関数「IMAGE関数」
このIMAGE関数を使用すると、画像のURLを指定するだけでExcel内に画像を表示できます。
●既存の画像挿入機能との違い
従来は画像をダウンロードしてから挿入する必要がありましたが、IMAGE関数を使用すると、インターネット上の画像を直接挿入できます。
サイズ調整や式のコピーでURLを変更することで画像を切り替えることができ、操作の自由度が高まっています。
新関数、テキストおよび配列操作関連の関数
新たに追加された関数には、テキストを抽出・分割する「TEXTBEFORE関数」「TEXTAFTER関数」「TEXTSPLIT関数」、配列を操作する「VSTACK関数」「HSTACK関数」、配列を変形する「TOROW関数」「TOCOL関数」「WRAPROWS関数」「WRAPCOLS関数」、配列のサイズを調整する「TAKE関数」「DROP関数」「CHOOSEROWS関数」「CHOOSECOLS関数」「EXPAND関数」があります。
パフォーマンスの改善
作業の効率が向上し、操作がスムーズになりました。
また、新しい「パフォーマンスチェック」機能が導入され、書式設定や見えない空白が含まれるセルが増えるとパフォーマンスが低下するのを防ぐため、それらを検出して削除する機能です。
定期的にこの処理を行うことで、全体のパフォーマンスが向上します。
PowerPointの進化した機能
レリーフ（カメオ）機能
レリーフ（カメオ）機能では、プレゼンテーション中にWebカメラを使ってリアルタイムで実際の映像をスライドに映し出すことができます。
テレビ番組やYouTubeで見ることができるワイプ画面のような効果を演出することが可能です。
映像の位置やサイズの調整も自由自在です。
「カメオ」という名称は、映像で「顔を出す」ことに由来しています。
レコーディングスタジオ機能
レコーディングスタジオ機能を利用すると、プレゼンテーション作成中にペン入力や音声解説を即座に記録し、スライドに直接組み込むことができます。
作成したプレゼンテーションは動画としてエクスポート可能で、配布やYouTubeでの共有も行えます。
その他Officeアプリの更新概要
Officeの多くのアプリに新機能が追加されました。概要は以下の通りです。
| 機能 | 対応アプリ | 内容 |
|---|---|---|
| アクセシビリティリボン | Word、Excel、Outlook | アクセシビリティ関連機能を集約したリボンが新設されました |
| スマホから画像挿入 | Word、Excel | Androidスマホから直接画像を挿入できる機能 |
| Likeリアクション | Word | コメントに「いいね！」を付けることができる |
| 動的グラフ | Excel | データの更新に合わせてグラフが自動で更新される |
| Microsoft Stream 埋め込み | PowerPoint | Microsoft Streamのビデオをスライドに追加できる |
| クローズドキャプション追加 | PowerPoint | スライドに字幕を追加できる |
| 検索の改善 | Outlook | 検索機能が強化された |
| 会議のオプション追加 | Outlook | 会議を効率化する新オプションが追加された |
| 描画とインクの改善 | OneNote | 描画ツールが強化され、Surfaceペンの対応が改善された |
【Office 2024】バージョンと価格
Office 2024には「Office Home 2024」と「Office Home & Business 2024」の2つのバージョンがあります。それぞれの特徴と価格は次の通りです。
| バージョン | 価格 | 対応アプリ |
|---|---|---|
| Office Home 2024 | 34,480円 | Word、Excel、PowerPoint、OneNote |
| Office Home & Business 2024 | 43,980円 | Word、Excel、Outlook、PowerPoint、OneNote |
価格はすべて税込です。
Outlookの使用有無でバージョンを選ぶと良いでしょう。
【Office 2024】サポート期間の詳細
Office 2024の技術サポートは、2029年10月9日に終了予定で、全体のサポート期間は5年間です。
購入型のライセンスは無期限で使用可能ですが、サポート終了後はセキュリティリスクなどに注意が必要です。
【Office 2024】Office 2019、2021からのアップグレードは必要か？
サポート期間についての考慮
現在Office 2019やOffice 2021を使用している方は、Office 2024へのアップグレードの必要性について検討しているかもしれません。
それぞれのサポート期限は以下の通りです。
- Office 2019：メインストリームサポート終了が2023年10月10日、延長サポート終了が2025年10月14日
- Office 2021：メインストリームサポート終了が2026年10月13日、延長サポートなし
- Office 2024：メインストリームサポート終了が2029年10月9日、延長サポートなし
メインストリームサポートでは新機能の追加や仕様改善が行われ、延長サポート期間中はセキュリティ更新のみが提供されます。
サポート終了後の使用はセキュリティリスクを考慮すると推奨されません。
機能の違いについて
Office 2024では、以前のバージョンにはなかった多くの新機能が追加されています。
例えば、Office 2019では利用できない「XLOOKUP関数」やスピル機能など、Excelの機能制限が顕著です。
既存の機能に満足している場合は、すぐにOffice 2024へのアップグレードが必要ないかもしれませんが、サポート期限の接近や新機能の魅力を考慮に入れてアップグレードを検討する価値はあります。
以下は一般的なアップグレード推奨です。
- Office 2016を使用中の場合：即時アップグレード推奨
- Office 2019を使用中の場合：Excelを頻繁に使用する場合はアップグレードを検討
- Office 2021を使用中の場合：現時点では見送り、新機能追加時に再検討
これが参考になれば幸いです。
【Office 2024】Microsoft 365との選択肢
Office 2024とMicrosoft 365の選択に迷っている場合、どちらがより適しているかを考慮しましょう。
Office 2024の利点
Office 2024の最大の利点は、一度購入すれば追加料金なしで永続的に使用できる買い切り型ライセンスであることです。
例えば、Microsoft 365 Personalが年間14,900円のサブスクリプション料金であるのに対して、3年以上使用する場合、一度の支払いのみのOffice Home 2024（34,480円）の方が経済的になります。
Office 2024の欠点
一方で、Office 2024の欠点は、提供されるアプリと機能がMicrosoft 365に比べて限定されている点です。
利用できるアプリは「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」「OneNote」に限られており、Microsoft 365で既に利用可能なExcelの新関数やPowerPointの新機能は含まれていません。
また、サポート期間が限定されていることもデメリットです。
Microsoft 365の利点
Microsoft 365のサブスクリプションモデルは、その柔軟性に大きな利点があります。
一時的に特定のアプリが必要な場合に便利で、AccessやOneDrive、Clipchampなど、Office 2024に含まれない多数のアプリが利用可能です。
新機能の提供も迅速で、サポートに期限がないため、長期的な安心感があります。
Microsoft 365の欠点
Microsoft 365のデメリットとしては、継続的に料金が発生するサブスクリプション形式が挙げられます。
長期間にわたると経済的にOffice 2024の買い切り版よりもコストが高くなることがあります。
また、提供される多くのアプリが実際には必要ないものも多く、使わない機能にも料金を支払うことになるかもしれません。
Office 2024とMicrosoft 365の機能と価格比較
今回の概要では、Office 2024のExcelに多数の新関数が追加された点、PowerPointに新しいレリーフ機能やレコーディングスタジオ機能が導入されている点をご紹介します。
価格は34,480円から43,980円（税込）で、提供されるサポートは5年間です。
| 製品名 | 価格 | アプリ構成 | ユーザー数 | デバイス利用可能数 | サポート有無 |
|---|---|---|---|---|---|
| Office Home 2024 | 34,480円 | Word, Excel, PowerPoint, OneNote | 1人 | Windows PC/Mac（インストール2台まで） | なし |
| Office Home & Business 2024 | 43,980円 | Word, Excel, Outlook, PowerPoint, OneNote | 1人 | Windows PC/Mac（インストール2台まで） | なし |
| Microsoft 365 Personal | 14,900円/年（年額プラン） | Word, Excel, Outlook, PowerPoint, OneNote, Access※, OneDrive, Microsoft Defender, Editor, Clipchamp, +α | 1人 | Windows PC/Mac, iPad/iPhone, Android（インストール制限なし） | あり |
| Microsoft 365 Family | 21,000円/年（年額プラン） | Word, Excel, Outlook, PowerPoint, OneNote, Access※, OneDrive, Microsoft Defender, Editor, Clipchamp, +α | 最大6人 | Windows PC/Mac, iPad/iPhone, Android（インストール制限なし） | あり |
| ※AccessはWindows PCのみ対応 |
サブスクリプションモデルであるMicrosoft 365は、豊富な機能と常に最新の更新を受けられる点が魅力です。
一方、Office 2024は一度の購入で長期間利用可能で、更新がなくても基本機能が充実しています。
どちらの製品が適しているかは、ユーザーの使い方やニーズによって異なります。
本記事が製品選択の参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
