スマートフォンを使っていると、意図しないアプリが勝手にインストールされることがあります。
これは、不正なアプリやマルウェア、設定ミスなどが原因で発生するケースが多く、個人情報の漏洩や端末の動作不良につながるリスクがあります。
本記事では、アプリが勝手にインストールされる原因と、その対策について詳しく解説します。
アプリが勝手にインストールされる原因とは

スマートフォンにアプリが勝手にインストールされる原因は複数あります。
悪質なアプリやセキュリティ設定の不備など、さまざまな要因が考えられます。以下に具体的な原因を解説します。
不正アプリの存在とその危険性
不正アプリとは、ユーザーの許可なく個人情報を収集したり、不要な広告を表示したりする悪質なアプリのことです。
これらのアプリは公式ストア以外のサイトや、偽の広告を通じてインストールされることが多く、スマホの動作を遅くしたり、情報漏洩のリスクを高めたりします。
さらに、一部のアプリはバックグラウンドで動作し、データ通信量を勝手に消費するケースもあります。
また、通知を制御し、偽の警告メッセージを表示してユーザーに追加の操作を強要することもあります。
知らぬ間に感染するマルウェアとは
マルウェアは、スマホやPCに侵入して不正な操作を行うプログラムの総称です。
特に、フィッシングサイトや不審なアプリを通じて知らぬ間に感染し、勝手に他のアプリをインストールするケースがあります。
これらのマルウェアは、スマートフォンのパフォーマンスを低下させるだけでなく、銀行アカウント情報やパスワードを盗み取る可能性があります。
また、感染したデバイスをボットネットの一部として利用し、スパムメールの送信やDDoS攻撃の踏み台にするケースも報告されています。
自動更新の影響とそのリスク
アプリの自動更新設定によっては、不要なアプリや意図しない機能が追加されることがあります。
特に、プリインストールアプリの自動更新が原因で、新しいアプリが追加される場合もあります。
こうしたケースでは、知らないうちにデバイスのストレージが圧迫されたり、バッテリー消費が増えたりすることがあります。
また、一部のアプリは自動更新を装い、別の不正アプリをインストールする手口を使うこともあるため、更新内容を確認し、不審なものは無効化することが重要です。
何故、アプリは勝手にインストールされるのか

アプリが勝手にインストールされる理由は、ユーザーの知らないうちに設定ミスや外部の影響を受けることが原因です。
どのような仕組みでアプリが自動的にインストールされるのかを見ていきましょう。
2025年2月現在、SNSではAndroidデバイスに「Android System Key Verifier」というアプリが自動的にインストールされているとの報告が複数寄せられています。
このアプリは勝手にインストールされてしまうことから、アプリの意図や安全性について疑問を持つ人が多いようです。
以下の記事では「アンドロイド システムキー ベリファイヤー」がどのような目的で自動インストールされるのか、そしてそれが安全なアプリなのかを詳しく解説しています。
スマホの安全性に関わるアプリですので、興味のある方は参考にしてください。

権限の設定ミスが招く自動インストール
アプリのインストール時に過剰な権限を許可してしまうと、他のアプリを勝手にインストールされるリスクが高まります。
特に、「不明なアプリのインストールを許可」する設定が有効になっていると、悪意のあるアプリが入り込む可能性があります。
また、一部のアプリは、他のアプリのダウンロードをトリガーする仕組みを持っているため、慎重に権限を確認することが重要です。
さらに、特定のアプリは、バックグラウンドで動作し、ユーザーの意図しないアクションを実行することがあります。
広告や不審な通知の影響
悪質な広告をクリックした際に、ユーザーの意図しないアプリがインストールされるケースがあります。
また、ポップアップ通知や偽のセキュリティ警告を利用して、インストールを促す手口もあります。特に、ユーザーが「OK」ボタンを押した瞬間に、別のアプリが勝手にインストールされるケースがあり、こうした手法はますます巧妙になっています。
これを防ぐためには、信頼できるアプリのみを使用し、不要な通知をブロックすることが効果的です。
デバイスのセキュリティ設定とその重要性
スマホのセキュリティ設定を適切に管理しないと、不正なアプリがインストールされるリスクが高まります。特に、「提供元不明のアプリのインストール許可」を無効にすることが重要です。さらに、定期的にインストールされているアプリを確認し、不要なアプリが勝手に追加されていないかチェックすることも大切です。
また、デバイスのセキュリティを向上させるために、最新のOSアップデートを適用し、信頼性の高いセキュリティソフトを導入することも推奨されます。
さきほど、2025年2月にAndroidデバイスに「Android System Key Verifier」というアプリが自動的にインストールされている、との報告がSNSに多く寄せられているとお伝えしました。
その数週間前の2025年1月、同じく多くのAndroidユーザーの端末に「Android System Safety Core」というアプリが予告なしでインストールされたことも報告されています。
以下の記事では「アンドロイドシステムセーフティコア」の機能や無断でインストールされる背景、およびその安全性について解説しています。
こちらもandroidの安全性に関わるアプリですので、興味がある方はご覧になってください。

また2024年の11月には「Geminiというアプリが勝手にインストールされた」との報告が、SNSで多くのユーザーから投稿されました。
また、ゲームなどをプレイしている際に、Geminiが勝手に起動してしまうため困惑しているという報告も見られました。
以下の記事では、Geminiアプリの概要やインストールされる理由、アンインストールや削除の方法、無効化する際の注意点を、初心者でも理解できるように詳しく解説しています。
また、Geminiが勝手に起動してしまう原因と解決法、さらに現在のGeminiができることまで、詳しく説明しています。
AI技術に詳しくない方向けにも、分かりやすい説明を心がけていますので、興味のある方は読んでみて下さい。

どうすればアプリを勝手にインストールさせないか

アプリの不正インストールを防ぐには、適切な設定やセキュリティ対策が必要です。AndroidやiPhoneでの具体的な防止策を紹介します。
Androidデバイスでの対処法
Androidデバイスでは、勝手にインストールされるアプリを防ぐために、いくつかの重要な設定を見直すことが必要です。
特に、提供元不明のアプリのインストールを制限し、不審な動作を防ぐセキュリティ機能を有効にすることが効果的です。
- 設定アプリを開く
- 「アプリと通知」→「特別なアプリアクセス」へ進む
- 「不明なアプリのインストール」を無効にする(特定のアプリが勝手に他のアプリをインストールするのを防ぐ)
- Google Play プロテクトを有効にする(Googleが提供するセキュリティ機能で、不審なアプリを検出・ブロックする)
- アプリの権限を見直す(アプリごとに不要な権限を無効化し、バックグラウンドでの動作を制限する)
- 不要なプリインストールアプリを無効化(デバイスに最初から入っているアプリの中には、不要なものもあるため、無効にすることでリスクを軽減できる)
iPhoneの設定で防ぐ方法
iPhoneでは、Appleのセキュリティ対策が強力に機能していますが、それでも不正なインストールを防ぐための追加設定が重要です。
- 「設定」アプリを開く
- 「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」へ進む
- 「インストールを許可しない」設定を有効にする(子供や他のユーザーが勝手にアプリをインストールできないようにする)
- 不審なプロファイルを削除(「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」から不明なプロファイルがないか確認し、削除する)
- App Storeの自動ダウンロードをオフにする(「設定」→「App Store」→「自動ダウンロード」をオフにし、意図しないアプリのインストールを防ぐ)
セキュリティアプリの活用法
不正アプリのインストールを防ぐには、信頼できるセキュリティアプリを利用するのが効果的です。セキュリティアプリを導入することで、リアルタイムでマルウェアを検出し、アプリの動作を監視できます。
- Google Play プロテクト(Androidユーザー向けに無料で利用できる)
- Avast Mobile Security(Android/iOS両方対応のウイルス対策アプリ)
- McAfee Mobile Security(総合的なセキュリティ対策を提供)
- Norton Mobile Security(フィッシング攻撃や個人情報の流出を防ぐ)
セキュリティアプリを活用し、定期的なスキャンを実施することで、不正なアプリの侵入を未然に防ぎましょう。
勝手にインストールされるソフトの特徴

意図せずインストールされるアプリには、特定の特徴があります。どのようなアプリに注意すべきかを見ていきましょう。
注意すべきアプリの特徴
- 公式ストア以外から提供されている
- 過剰な権限を要求する
- 広告が異常に多い
- 動作が異常に遅くなる、または急に動作が重くなる
- 不審な通知が頻繁に表示される
- 予期しないデータ通信やバッテリー消耗が増加する
主な不正アプリの例
- 広告詐欺アプリ:過剰な広告を表示し、クリックを誘導することで収益を得るアプリ。広告を無理に閉じさせず、誤クリックを誘発するものもある。
- 情報収集アプリ:ユーザーの個人情報や端末のデータを勝手に収集し、外部に送信する。特に、連絡先や位置情報などのデータが狙われやすい。
- バックグラウンドで動作するマルウェア:ユーザーの知らないうちに端末内で動作し、他のアプリのインストールや悪意のある活動を行う。
- スパイウェアアプリ:ユーザーの端末内の情報を密かに取得し、第三者に送信する。
- フィッシングアプリ:銀行アカウントやSNSのログイン情報を盗む目的で作成された偽のアプリ。
- トロイの木馬型アプリ:正規のアプリに見せかけてインストールさせ、内部で不正な操作を行う。
フィッシングアプリの見分け方
- アプリの開発元を確認する:公式サイトの情報と一致しているかを確認し、不明な開発元のアプリは避ける。
- 公式サイトの情報と比較する:提供元の正規サイトで同じアプリが提供されているかを確認し、不審な点がないか調べる。
- ユーザーレビューをチェックする:アプリストアのレビューを確認し、特に低評価や不審なコメントが多い場合は注意する。
- アプリの権限を確認する:必要以上の権限(例:カメラ、マイク、連絡先へのアクセス)を要求する場合は警戒する。
- インストール後の動作を監視する:急に端末の動作が重くなったり、異常な広告が表示される場合はアンインストールを検討する。
このように、不正アプリは巧妙にユーザーを騙す手口を使って広がっています。注意深くアプリを選び、安全にスマートフォンを利用しましょう。
アプリインストールの確認と削除方法
不正なアプリがインストールされていないかを確認し、不要なアプリを削除する方法を紹介します。
スマホでの確認手順
AndroidとiPhoneの設定画面から、最近インストールされたアプリを確認できます。
不要なアプリの効果的な削除法
- アプリ一覧から直接削除
- 設定でアプリ管理から削除
- セキュリティアプリを利用して一括削除
インストール履歴のチェック方法
Google PlayストアやApp Storeの購入履歴やインストール履歴を確認し、不要なアプリの有無を調べることができます。
インストールのリスクと対策
勝手にインストールされたアプリには、個人情報漏洩や端末の不具合などのリスクがあります。適切な対策を講じましょう。
個人情報漏洩の可能性
勝手にインストールされたアプリが個人情報を収集し、第三者に送信するリスクがあります。
知らないアプリによる被害とは
- 勝手に課金される
- 広告が頻繁に表示される
- バッテリー消耗が激しくなる
安全なデバイス運用の条件
- 定期的にアプリをチェック
- 不審な通知をクリックしない
- OSやアプリを最新バージョンに更新
勝手にインストールされないための機能
不正なインストールを防ぐために、デバイスの設定を最適化する方法を紹介します。
意図しないアプリのインストールを防ぐためには、設定の見直しやセキュリティ対策が重要です。
特に、不正なアプリが入り込まないようにするための手順を実践することで、より安全なスマートフォン環境を維持できます。
自動更新をオフにする方法
アプリの自動更新をオフにすることで、不本意なインストールを防ぐことができます。
Google PlayストアやApp Storeの設定を開き、自動更新を無効に設定してください。
また、Wi-Fi接続時にのみ更新するように設定することで、予期しないダウンロードを防ぐことが可能です。加えて、手動で更新することで、更新内容を確認しながら必要なアプリのみをアップデートできます。
アプリストアの設定を見直す
アプリストアの設定を適切に管理することで、不正なアプリのインストールを防げます。
特に、Google Playストアでは「Google Play プロテクト」を有効にすることで、怪しいアプリをスキャンし、警告を受け取ることが可能です。
App Storeでも、公式のアプリのみを利用するように設定し、外部からのインストールを制限することが推奨されます。
また、ストアのダウンロード履歴を定期的に確認し、不審なアプリがインストールされていないかチェックすることも大切です。
端末のセキュリティ強化のポイント
セキュリティを強化することで、不正アプリの侵入を未然に防ぐことができます。
- 二段階認証を設定:GoogleやApple IDなどのアカウントに二段階認証を設定することで、不正アクセスを防げます。
- 定期的にウイルススキャンを実行:信頼できるセキュリティアプリを導入し、定期的にスキャンすることで、悪意のあるアプリを検出できます。
- アプリの権限を管理:インストール済みアプリの権限を見直し、不要なアクセスを制限することで、情報漏洩のリスクを軽減できます。
- 提供元不明のアプリのインストールを無効化:設定から「提供元不明のアプリのインストールを許可しない」オプションを有効にすることで、公式ストア以外からのインストールを防ぐことができます。
- 定期的にインストール履歴を確認:ストアのダウンロード履歴や端末のアプリ一覧をチェックし、不要なアプリが入っていないか確認することが重要です。
これらの対策を講じることで、意図しないアプリのインストールを防ぎ、安全なスマートフォン環境を維持することができます。
以上の方法を実践することで、アプリの不正インストールを防ぎ、安全にデバイスを利用できます。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

